会社を退職して、初めて確定申告をすることになって気付いたことは、領収書やレシートの存在がとても大切だ、ということです。
会社員をしていると、確定申告をする機会はほとんどありませんよね。会社員が確定申告をするとしたら、住宅を購入したときや医療費控除を受けるときくらいでしょうか。
この記事では、初めて確定申告をするにあたって覚えておきたい領収書の保存方法や、受け取り方についての説明に加え、領収書が無い場合の取り扱いについても解説いたします。これで、確定申告に関連する領収書について悩むことはなくなります。
この記事によって、あなたの確定申告がスムーズに終えることができましたら幸いです。
目次
1. 確定申告で使う領収書の保存が必要な理由
領収書はお金を支払ったことの証明になるものです。確定申告のとき必要経費として申請をするのためには、誰に、いつ、いくら、何のためにお金を使ったのかを証明しなければなりません。そのために領収書が必要なのです。
正しく確定申告されているか税務調査が入ったとき、申告内容を確認しるために領収書の提出が求められます。領収書がないことで、あらぬ疑いをかけられないよう、きちんと保管することがとても大切です。
2. 確定申告で使う領収書の上手な保存方法
領収書は、ただ保管しておけば良い、というものではありません。税務調査が入ったときに、必要な領収書をすぐに提出できるように整理しておくことが求められます。
整理しておくと言っても、難しいことや手間のかかる作業は不用です。簡単な方法としてオススメな管理方法は、月別に用意した茶封筒に領収書を放り込んでおくことです。封筒から領収書から落ちて紛失しないように、封筒の口をホチキス止めしておくと安心です。
茶封筒を使うメリットは、光を通さないところにもあります。大抵のレシートは感熱紙に印刷されています。感熱紙は光に当たると劣化が早まります。大切な証拠のレシートが、いざ必要なときというとき消えていた、ではシャレになりません。茶封筒が光を遮るため、レシートの保管には最適なのです。
税務調査が入らなければ、領収書を見返すことはありません。綺麗にファイリングをしても、それを使う機会がないので、時間がもったいないです。
3. 確定申告の領収書は7年間の保存期間がある
領収書の保管期限は原則として、確定申告の申告期限日から7年後までです。誤って破棄してしまわないように注意が必要です。
例えば茶封筒で領収書を保管しているのであれば、封筒に保管期限を明記しておくと、誤廃棄の予防になります。
4. 領収書をもらうとき気を付けたいポイント5つ
普段、とくに意識せず領収書をもらっているかも知れませんが、確定申告で経費として計上するためには、きちんとした領収書のルールに従う必要があります。そこで、特に気を付けておきたい5つのポイントを解説します。
(1) あて名は個人名または屋号を書いてもらう
あて名に「上様」を使っているとしたら、それはやめるべきです。税務調査が入ったとき、「上様」ばかりの領収書だと、脱税を疑われる可能性が高まります。領収書のあて名欄には、個人名または、屋号がある場合は屋号を書いてもらいます。
たまに、お店からあて名が無記名の領収書を渡されることがあるかもしれません。少し面倒でも、お店の方にあて名を書いてもらうようにします。自分であて名を書くと、やはり税務調査のとき、領収書を偽造しているのでは、と疑われかねません。
正しい取引をしているのに、領収書の不備で税務調査において疑われるのは気分のよいことではありませんね。たかがあて名、されどあて名。しっかりとあて名を書いてもらいましょう。
(2) 日付を書いてもらう
領収書はお金を支払ったことの証明になる書類ですから、日付はきちんと記入する必要があります。お店から日付の記入がない領収書を手渡されたら、必ず日付の記入をお願いしましょう。
(3) 品名・但し書きを具体的に書いてもらう
領収書の品名・但し書きに「お品代」はNGです。きちんと買ったものが何か分かるように書いてもらいましょう。
そうは言っても、一度に何点も購入をした場合など、いちいちすべて領収書に記入してもらうのは現実的に難しいですよね。そのときは、もっとも高額な商品名を書いてもらい、「他○点」と書いてもらうとよいです。
(4) お店の名前と住所が書いてあるか確認する
領収書を発行したお店の名前と住所が記載されていることを確認しましょう。
もしお店の住所が領収書に書いていなくても、領収書として無効になる訳ではありません。でも、領収書は「誰にお金を支払ったのか」を証明するものです。住所の記載がないと、領収書の発行した人(お店)を特定できず、領収書として無効になる可能性もあります。
後々、余計な面倒ごとを増やさないためは、領収書にお店の名前と住所が書いてあるか確認を怠らないことです。
(5) 印紙を貼ってもらう
金額が5万円以上になるときは領収書に印紙が必要です。必ず印紙を貼ってもらうようにします。
ただし、クレジットカードによる決済の場合は、領収書にクレジットカードを使った旨の記載をすることで印紙は不用になります。
5. 領収書がない場合の対応
お店で買い物をしたとき、わざわざ領収書を書いてもらわなくても、レシートが領収書として有効になります。
でも、領収書を書いてもらうことができない場合や、レシートの発行がない場合もあります。例えば、電車代やバス代、自動販売機の飲み物代、割り勘で支払った場合などです。
(1) 領収書がないときは出勤伝票を使う
領収書もレシートもない支払いの場合は、領収書の代わりに出金伝票を使います。
出金伝票に、支払日付、支払先、支払内容、支払先などを記入しておけば、何にお金を使ったのかが分かりますので、領収書がなくても問題ありません。
領収書やレシートの発行がない支払いをしたときは、忘れないうちに出勤伝票を書くようにしましょう。出勤伝票は文具店などで購入できます。もし支払伝票を持っていないのでしたら、すぐに一冊購入しておくことを強くオススメします。
(2) 出金伝票の書き方
支払伝票には、①支払日付、②支払先、③支払内容、④支払金額を忘れずに記入します。
本来は領収書やレシートが必要なのに出金伝票を使ったときは、領収書がない理由を余白に記入しておくことをオススメします。支払伝票を使ったのか説明を求められたときに役立ちます。

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(3) 出金伝票で気を付けること
出金伝票があれば領収書やレシートの保管は必要ないのでは、と思うかも知れません。でも、出金伝票は、あくまでも領収書やレシートが無い場合の代替手段でしかありません。
出金伝票をたくさん作成したり、高額な出金伝票を作成すると、税務調査で疑われる可能性が高まります。出金伝票で疑われないために、出費に関連する資料がある場合は、出金伝票と併せて保管しておきましょう。
6. まとめ
初めて確定申告をするにあたって覚えておきたい領収書の保存方法や、受け取り方について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事が、あなたの確定申告の参考になりましたら幸いです。